研究概要 |
平成21年度の研究実績は以下のとおりである. 1.熱伝導,弾性変形および電磁場の連成現象に対する順解析プログラムの作成 傾斜機能材料は,性質の異なる材料が板厚内で一次元的に層状に重なった多層材料として考えた.そこで,測定対象の形状は,円板とし,その熱伝導,弾性変形および電磁場は,材料半径方向と厚み方向の軸対称二次元現象とした.材料の物性は,非均質た等方性とした.初期条件は,温度一様で,変形がなく,電磁場も存在しないものとした.境界条件は,材料側面,下面および上面において,熱伝達があり,応力がなく,無限遠の電磁場がゼロであるものとした.これらの仮定のもとで,熱伝導方程式,弾性体の運動方程式およびマクスウェルの電磁方程式を,内部発熱とローレンツ力を共通項して数値解析を行った.数値解析には,三角形リング要素による有限要素法を用いた.空間微分の離散化には,ガラーキン法を用い,時間微分のそれには,クランクニコルソン法あるいは前進法を用いた. 2.単層材料に対する実験と解析 単層材料に対して,熱伝導,弾性変形および電磁場に関する実験を行い,順解析による近似解と比較検討した.具体的には,温度伝導率,縦弾性係数および電気伝導率が,それぞれ,大きく異なる単層材料を使用し,それらの測定可能範囲について検討した.
|