研究概要 |
平成22年度の研究実績は以下のとおりである 1. 熱伝導,弾性変形および電磁場の連成現象に対する順解析プログラムの改良 傾斜機能材料は,性質の異なる材料が板厚内で一次元的に層状に重なった多層材料としてえた.そこで,測定対象の形状は,円板とし,その熱伝導,弾性変形および電磁場は,材料半径方向と厚み方向の軸対称二次元現象とした.材料の物性は,非均質な等方性とした.初期条件は,温度一様で,変形がなく,電磁場も存在しないものとした.境界条件は,材料側面,下面および上面において,熱伝達があり,応力がなく,無限遠の電磁場がゼロであるものとした.これらの仮定のもとで,熱伝導方程式,運動方程式およびマクスウェルの電磁方程式を,内部発熱とローレンツ力を共通項として数値解析を行った.間接測定の原理式である近似解において,温度や試料寸法などの観測値の誤差伝播を検討するため,順解析プログラムを改良した 2. 拡張カルマンフィルタなどの逆解析プログラムの作成 作成したアルゴリズムでは,逆解析が判定値の極小値に収束するため,最小値を探索できるプログラムを開発する必要のあることが明らかとなった 3. 二層材料に対する実験と解析 アルミニウムとチタンを摩擦圧接させた二層材料に対して,熱伝導,弾性変形および電磁場に関する実験を行い,観測値の交流電流周波数依存性について検討した
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