インソールがハイヒール歩行の安定感を向上させるメカニズムを理解する目的で、女性8名を対象にインタビューを行ない、ヒール形状、アーチパッドの有無、中敷の摩擦が異なる5種の靴条件で、靴内足底圧、運動、床反力、バランスボード上でのバランス維持を計測した。インタビューの結果抽出された履き心地の評価視点のうち、足底全体への体重分散感とヒールのぐらつき感が、安定感に関連していた。体重分散感は足裏の接触面積と、ヒールのぐらつき感はヒール傾斜角度と関連していた。インソールによる歩行安定化メカニズムとして3つの仮説を検討した結果、足裏の荷重支持面積増大による足構造への負荷低減が、主なメカニズムだと考えられた。
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