研究概要 |
2010年には,わが国の石炭灰の発生量は1000万トンが見込まれている。フライアッシュを用いたフライアッシュセメントは,ポゾラン反応や発熱抑制効果があることから,これまでダムなどのマスコンクリートへ利用されてきた実績がある。さらに今後は,大量に発生する再生骨材や低品質な骨材のASR対策として期待されている。しかし,AE剤を練混ぜ時に投入し,連行させる現行の方法(アフターフォーム型:以下AAEという)ではFAに含まれる未燃カーボンがAE剤を吸着し発泡作用を弱め,コンクリートの空気量を適正に管理することが難しくなる。このため,フレッシュコンクリートの性状や,耐凍害性が低下する危険性がある。 そこで本研究では,ムース状の微細な空気泡を先に生成したプレフォーム型のAE(以下PAEという)を練混ぜ時に投入することにより,未燃カーボンの影響を低減し,耐凍害性を高めることを試みた。 研究の結果,フライアッシュの未燃カーボンの影響が緩和され,空気量のコントロールが可能であることが分かった。さらに,その効果は,未燃カーボン量の多い非JISフライアッシュにおいても証明された。
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