研究概要 |
糖尿病性心筋症や不全心筋のエネルギー変化を画像化することを目的とした。脂肪酸代謝機能を評価する標識薬剤として[I-131]9MPAを,糖代謝機能を評価する薬剤として[C-14]2DGを、交感神経機能として[I-125]MIBGをそれぞれ用いた。心不全モデルラット・糖尿病モデルDN14-3-3トランスジェニックマウスを作成し、代謝異常と遺伝子異常を検討中した。(1)自己免疫性心筋炎後心不全モデルラット・糖尿病モデルDN14-3-3トランスジェニックマウスを作成した。8週齢Lewisラットに精製したブタの心筋ミオシンを後足の皮下に注射し、感作すると自己免疫性心筋炎が発症する。我々の方法では疾患発症率が100%である。炎症により傷害され脱落した心筋組織は線維組織で置換され、慢性期には心室拡張と心機能低下により拡張型心筋症類似の病態となる。DN14-3-3トランスジェニックマウスにストレプトゾトシンを投与し糖尿病マウスを作成した。血糖値が正常マウス100mg/dlから約300-500mg/dlに上昇した。 (2)血行動態を測定・心エコー検査を行った。心不全ラットでは、吸入麻酔下に各群ラットの外頚静脈と大腿からカニューレを挿入し、血行動態測定装置でそれぞれの心拍数・血圧・中心静脈圧・左室収縮圧・左室拡張末圧・心筋収縮力を測定すると、明らかに病態モデルと正常モデルで差がみられた。各群ラットの心エコー検査を行い、心室壁厚・心室内径・心筋の収縮力測定による心機能評価も同様であった。 (3)モデル動物に、[I-131]9MPA・[C-14]2DG・[I-125]MIBGを投与し、画像化(TLC像・BAS5000画像・病理組織像など)した。不全心筋では、9MPA・MIBGの取り込みが低下し2DGの増加が見られた。
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