研究課題/領域番号 |
20590222
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
岡田 清孝 近畿大学, 医学部, 講師 (20185432)
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研究分担者 |
松尾 理 近畿大学, 医学部, 教授 (40030879)
上嶋 繁 近畿大学, 農学部, 教授 (30193791)
河尾 直之 近畿大学, 医学部, 助教 (70388510)
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キーワード | ペプチド / プラスミノーゲン / 線溶系 / プラスミノーゲンアクチベ / 血栓溶解 / マウス |
研究概要 |
黄色ぶどう球菌が産生するstaphylokinase(SAK)は、plasminと複合体を形成しplasminogen(Plg)活性化能を発現する。このSAKのアミノ酸配列中の22から40番目に相当する合成ペプチド(SP)は、Plgに対してSAKの結合部位とは異なる場所に結合し、Plg活性化促進作用を示すことを見出した(Okada et.al, Thromb Haemost 2007)。そこで、本研究では、SPペプチドのPlg活性化促進機構の解明と、その応用を目的とする。平成22年度はSPペプチドのPlg結合機序とマウス頸動脈血栓モデルに対する効果について検討した。 SPペプチドは、二価性架橋剤disuccinimidyl suberate(DSS)を用いた結合実験でplasminのB鎖およびそのC末端側CNBr分解産物と結合した。また、マウス頸動脈血栓モデルにおける血流再開は、tissue-type Plg activator(t-PA)遺伝子欠損(KO)マウスで全く示さず、Plg activator inhibitor type-1(PAI-1)KOマウスでその亢進が認められた。以上の結果より、SPペプチドはPlgに結合し構造変化を誘導して、その活性化を亢進させることが示唆された。また、SPペプチドの血栓溶解促進効果は、血栓症に対する臨床応用が期待される。なお、これらの結果の一部は英文論文(Okada et.al, J Thromb Haemost in press)と国際学会で報告した。
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