研究課題
基盤研究(C)
心血管病の発症機転に種々の危険因子の関与が指摘されるが、個々の危険因子の動脈硬化の発症、進展への作用機序は明らかではない。うつ状態や社会心理学的なストレスが循環器疾患の発症リスクを増す可能性については、いくつかの疫学的報告がなされているが、その細胞生物学的機序は明らかではなく、予防や治療法開発につながっていない。本研究課題では、ApoE knockout mouseの高脂肪食負荷による動脈硬化モデルを用い、実験心理学的な手法を用いてうつ状態やストレスの病変形成に対する影響やそのメカニズムについて検討した。比較的高齢の遺伝性易動脈硬化性マウスを用いて、肥満、糖尿病状態を誘導しうるHFD32を投与し生活習慣病性リスクの亢進状態を模倣したモデルを構築し、強制水泳試験によるストレスを加えた群と対照群の体液性因子の変化や組織学的な病変形成を検討したところ、ストレス負荷により、血中コルチゾール値の増加や脾細胞のサイトカイン応答の変化が生じている可能性が示唆された。一方、組織学的な動脈硬化病変の変化を見出すには至らなかった。ストレスは、体液性因子の変動を介して動脈硬化病変の発症、進展に関する可能性はあるが、実際の病変形成過程において更に多因子が複合的に関与している可能性が予想される。
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