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2009 年度 実績報告書

悪性中皮腫発生抑制にかかわる遺伝子多型の検索

研究課題

研究課題/領域番号 20590590
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

玉置 知子 (橋本 知子)  兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10172868)

研究分担者 辻村 亨  兵庫医科大学, 医学部, 教授 (20227408)
中野 孝司  兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10155781)
福岡 和也  兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (80305721)
森永 伴法  兵庫医科大学, 医学部, 助教 (10351818)
キーワード悪性中皮腫 / アスベスト暴露 / 遺伝子多型 / 遺伝子欠損 / p15
研究概要

悪性中皮腫(以下中皮腫)には現時点では完治可能な治療法がほとんど無い。中皮腫発生の重要な環境要因はアスベスト曝露であるが、同じ環境にあっても発症しない場合があることより、遺伝要因も何らかの役割をもつものと推測される。中皮腫に関わる遺伝子多型を検索し遺伝要因の関与を解明することを目的として、中皮腫患者さんより末梢血と腫瘍組織の提供を受け、後者より樹立した腫瘍細胞株を中心にゲノム解析を行った。
昨年度は、ATCC株と本学で樹立した尼崎地区中皮腫由来細胞株(本学株)に共通する欠損領域を見いだしていたが、さらに本学株20株を調べた。全てに共通して9番染色体上のがん抑制遺伝子、p15-16領域を含む36kbの両アレル欠損が見いだされた。FISH法で細胞単位の欠損の同定を試みたが、全例の欠損をスクリーニングすることはできなかった。市販プローブはハイブリダイズする領域が広く、微細な欠損が検出できないことがその理由と考えられた。また2/3の株で22番染色体上の両アレルもしくは片方のアレル欠損が認められ、この領域にはNF2遺伝子が含まれていた。以上の結果は、これまでの欧米や日本の他地区由来の中皮腫における発表と同等であり、中皮腫に高頻度に見られる遺伝子欠損には人種差や地域差がないことが判明した。
さらに1/3の株に共通して、3番染色体上に微細な欠損領域が見いだされた。この領域には両アレルもしくは片アレルの欠損が見いだされたが、p15-16やNF2遺伝子の欠損領域の大きさとは関連がなく、腫瘍および正常ゲノム全体の不安定性とも関連がなかった。この領域には、肺がんでも欠損等が見いだされており、癌抑制遺伝子があることが推測された。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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