新生児慢性肺疾患を引起す感染性早産の起因微生物については、病理的な絨毛膜羊膜炎(CAM)との関連において不明な点が多かった。マイコプラズマ科ウレアプラズマ属細菌に着目した結果、わが国の早産に関連してウレアプラズマがCAMの発生の独立したリスクファクター(OR,11.27)であること、病理的にウレアプラズマ感染胎盤特異的な二層性好中球浸潤を見出した。 さらにLPS 誘導性早産モデルマウスにおいて、ヒトチオレドキシン1の予防的投与が早産率を減少させ、また、母獣の血清サイトカイン値を抑制することを見出した。早産および合併症である新生児慢性肺疾患予防の新たな治療として期待される結果であった。
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