統合失調症に対する認知矯正療法の治療研究

2010 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20591409
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 精神神経科学
• 研究機関: 鳥取大学
• 研究代表者: 中込 和幸 鳥取大学, 医学部, 教授 (30198056)
• 研究分担者: 兼子 幸一 鳥取大学, 医学部, 准教授 (50194907) ; 最上 多美子 鳥取大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80368414) ; 池澤 聰 鳥取大学, 医学部附属病院, 医員 (30444623) ; 前田 和久 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (40283981) ; 神尾 聡 鳥取大学, 医学部, 助教 (30323588)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2010
• キーワード: 精神科リハビリテーション

研究概要

統合失調症患者62名を対象に、わが国における認知矯正療法(NEAR)の実施可能性と認知機能や社会機能に対する有用性を検討するために、6ヶ月間のオープントライアルを実施した。その結果、中断例は11名であった。認知機能については、言語記憶、作業記憶、語流暢、注意の各領域で、通常治療群に比して介入群で有意な改善効果が認められた。また、介入前後で社会機能、精神症状、QOLのうち身体機能および対人機能に有意な改善が観察された。わが国でもNEARが統合失調症に有用な治療法である可能性が示唆された。

研究成果

• [雑誌論文] 内発的動機づけの役割に焦点化した認知機能リハビリテーションNEAR (2011)
  • 著者名/発表者名: 最上多美子, ら
  • 雑誌名: 精神医学 53 ページ: 49-55
  • 査読あり
• [雑誌論文] 認知矯正療法による予後改善-NEARを中心に,特集・統合失調症の予後改善に向けての新たな戦略 (2011)
  • 著者名/発表者名: 最上多美子, ら
  • 雑誌名: 精神医学 53 ページ: 143-149
• [雑誌論文] 統合失調症の認知機能障害-その意義,治療- (2010)
  • 著者名/発表者名: 中込和幸
  • 雑誌名: 鳥取医学雑誌 38 ページ: 56-62
• [雑誌論文] 統合失調症に対する認知リハビリテーションNEARの紹介と予備的検討結果報告 (2010)
  • 著者名/発表者名: 最上多美子, ら
  • 雑誌名: 認知治療法研究 3 ページ: 89-97
  • 査読あり
• [雑誌論文] 統合失調症の認知機能障害に対する認知矯正療法の効果に関する予備的検討 (2009)
  • 著者名/発表者名: 池澤聰, ら
  • 雑誌名: 精神医学 51 ページ: 999-1008
  • 査読あり
• [雑誌論文] 認知機能と社会復帰 (2009)
  • 著者名/発表者名: 池澤聰
  • 雑誌名: Schizophrenia Frontier 10 ページ: 192-197
• [雑誌論文] 統合失調症を対象とした認知機能リハビリテーション (2008)
  • 著者名/発表者名: 最上多美子
  • 雑誌名: 精神療法 34 ページ: 325-332
  • 査読あり
• [学会発表] 統合失調症の社会機能に関係する認知機能障害 (2010)
  • 著者名/発表者名: 兼子幸一
  • 学会等名: 第32回生物学的精神医学会:シンポジウム認知機能から探る精神障害
  • 発表場所: 北九州
  • 年月日: 20101000
• [学会発表] 統合失調症の認知機能障害に対する認知矯正療法の効果 (2010)
  • 著者名/発表者名: 最上多美子
  • 学会等名: 第20回日本臨床精神神経薬理学会,第40回日本神経精神薬理学会合同年会:シンポジウム認知機能障害に対する治療をどう評価するか
  • 発表場所: 仙台
  • 年月日: 20100900
• [学会発表] 統合失調症の認知機能障害に対する心理社会的アプローチ (2010)
  • 著者名/発表者名: 中込和幸
  • 学会等名: 第106回日本精神神経学会学術総会:教育講演
  • 発表場所: 広島
  • 年月日: 20100500
• [学会発表] 統合失調症圏の患者に対する認知矯正療法NEAR(Neuropsychological Educational Approach to Cognitive Remediation)の効果について (2010)
  • 著者名/発表者名: 池澤聰, ら
  • 学会等名: 第5回統合失調症学会
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 20100300
• [学会発表] 精神病の早期段階における薬物療法と認知リハビリテーション (2009)
  • 著者名/発表者名: 中込和幸
  • 学会等名: 第13回日本精神保健・予防学会学術集会:シンポジウム 早期精神病における臨床実践:病名告知,心理教育,薬物療法について考える
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 20091100
• [学会発表] 認知矯正療法の意義と理論 (2009)
  • 著者名/発表者名: 最上多美子
  • 学会等名: 第9回日本認知療法学会:シンポジウム 精神疾患の認知機能障害に対する心理社会的アプローチ
  • 発表場所: 幕張
  • 年月日: 20091000
• [学会発表] 認知矯正療法の実際 (2009)
  • 著者名/発表者名: 池澤聰
  • 学会等名: 第9回日本認知療法学会:シンポジウム 精神疾患の認知機能障害に対する心理社会的アプローチ
  • 発表場所: 幕張
  • 年月日: 20091000
• [学会発表] A Japanese program that addresses motivational and cognitive deficits in chronic schizophrenia. (2009)
  • 著者名/発表者名: 最上多美子
  • 学会等名: 12 th International Congress on Schizophrenia Research, San Diego
  • 発表場所: California, USA
  • 年月日: 20090300
• [学会発表] 統合失調症の認知機能障害に対する認知矯正療法の効果について (2009)
  • 著者名/発表者名: 池澤聰
  • 学会等名: 日本統合失調症学会第4回大会
  • 発表場所: 吹田
  • 年月日: 20090100
• [学会発表] 統合失調症に対する認知矯正療法(Neuropsychological and Educational Approach to Cognitive Remediation). (2008)
  • 著者名/発表者名: 最上多美子
  • 学会等名: 第8回日本認知療法学会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 20081100
• [学会発表] 統合失調症の認知機能障害に対する認知矯正療法の実践について (2008)
  • 著者名/発表者名: 池澤聰
  • 学会等名: 第16回精神障害者リハビリテーション学会
  • 発表場所: 国立
  • 年月日: 20081100
• [学会発表] 統合失調症の認知矯正療法(Neuropsychological and Educational Approach to Remediation)導入と実践 (2008)
  • 著者名/発表者名: 最上多美子
  • 学会等名: 日本心理臨床学会第27回大会
  • 発表場所: つくば
  • 年月日: 20080900
• [学会発表] 統合失調症の認知機能障害に対する認知矯正療法の効果とその生物学的予測因子 (2008)
  • 著者名/発表者名: 池澤聰
  • 学会等名: 第30回日本生物学的精神医学会
  • 発表場所: 富山
  • 年月日: 20080900
• [学会発表] 統合失調症の認知機能障害に対する認知矯正療法の実践について (2008)
  • 著者名/発表者名: 池澤聰
  • 学会等名: 第56回山陰精神神経学会
  • 発表場所: 出雲
  • 年月日: 20080700
• [学会発表] Neuropsychological Educational Approach to Cognitive Remediation (NEAR) in Japan. (2008)
  • 著者名/発表者名: Ikezawa S.
  • 学会等名: 11 th Cognitive Remediation in Psychiatry
  • 発表場所: New York, USA
  • 年月日: 20080600
• [学会発表] Cross cultural approaches to cognitive remediation : Lessons from Japan. (2008)
  • 著者名/発表者名: 最上多美子
  • 学会等名: 11th Cognitive Remediation in Psychiatry
  • 発表場所: New York, USA
  • 年月日: 2008-06-02
• [図書] 精神疾患における認知機能障害の矯正法臨床家マニュアル(中込和幸, ら監訳) (2008)
  • 著者名/発表者名: Medalia A, et al.
  • 出版者: 星和出版,東京