研究分担者 |
關 保二 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 非常勤講師 (20309462)
小池 淳樹 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (40308440)
脇坂 宗親 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (30267596)
長江 秀樹 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教
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研究概要 |
【目的】ヒツジ胎仔尿路閉塞モデルを用いて,尿路閉塞後14日までの腎・膀胱組織を詳細に観察することで,胎児治療の至適時期を検討した. 【対象および方法】妊娠60日の胎仔を尿路閉塞後2から14日の早期の腎・膀胱の変化(n=28)と胎生同時期の正常対照群(n=20)の腎膀胱組織に免疫組織化学を加えて比較した. 【結果】尿路閉塞モデルの閉塞後2日ではすでにCD10免疫組織化学で同定される近位尿細管の選択的拡張がみられ,14日にはα-SMA陽性細胞による間質増生が始まっていた.また,膀胱の壁厚(μm)は尿路閉塞後2日で127.9±9.7μm,3日で97.8±67.5μm,4日で56.5±19.8μmと一旦伸展した膀胱壁が閉塞後5日になると206.1±28.2μm,7日で329.3±6.9μm,14日で345.6±144.9μmと肥厚し始め,満期で1056±398.6μmとなった. 閉塞後7日と満期で正常膀胱よりも肥厚した膀胱壁となった(p<0.01).やα-SMA陽性細胞の増生,コロイド鉄染色による粘液多糖体の増加によるものであった. 【結語】ヒツジ胎仔尿路閉塞モデルの腎膀胱形態変化は2週間で急速に進行する.胎児手術によって腎膀胱形態の温存が期待できる臨界点は閉塞後14日よりさらに早いタイミングにあると考えられた.
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