研究概要 |
アフタ発症のメカニズムは未だ不明な点が多く,診断はもっぱら現病歴や臨床所見に基づいたものでしかない.それゆえに根拠となる客観的な指針がないのが現状である.治療法においても根本的な方法は確立されておらず,現時点では対症的な方法にとどまっている.本研究ではアフタ性口内炎の要因として挙げられるストレス,免疫機構の関わりについて探求を試みた.唾液中のストレスマーカーを測定した結果,口内炎ができやすいと感じる体質の程度によって変動する可能性が示唆された.糖質コルチコイド(GC)に呼応して免疫細胞の時計遺伝子が誘導性に発現することや,γδT細胞の免疫応答能を有する可能性が示唆された.またサーカディアンリズムにはストレスシグナルが直接影響していることが示された.以上より,アフタ発症にはストレスに起因するGCの変動やサーカディアンリズムの異常が関わっている可能性が考えられた.
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