本研究は、配偶者を持たない乳がん罹患女性の、罹患当初から入院・外来治療を経て社会復帰するプロセスにおける体験の特徴を明らかにし、それに基づいて配偶者を持たない乳がん女性への看護プログラムを作成することを目的としている。 本研究の調査は、(1)我が国における配偶者を持たない乳がん罹患女性に対する看護の現状を明らかにすること、(2)乳がんの診断を受け、治療を受けた乳がんの女性で、配偶者を持たない対象への面接調査、の2つより構成される。 平成21年度(2年目)における(1)我が国における配偶者を持たない乳がん罹患女性に対する看護の現状に関する調査実施状況年に引き続き文献検討に基づいた質問紙の内容検討を行い、研究協力者所属施設である明治国際医療大学において調査に関する倫理審査を受け、承認された。郵送調査の対象は、平成21年現在の全国のがん診療連携拠点病院375病院において乳がん看講に当たっている看護師であり、調査内容はソーシャルサポート、ボディイメージ、セクシュアリティを中心としており、現在調査が進行中である。 平成21年度(2年目)における(2)乳がんの診断を受け、治療を受けた乳がんの女性で、配偶者を持たない対像への面接調査の実施状況 本調査では、セクシャリティやボディイメージなどセンシティブな内容のインタビューが必要となるため、倫理的配慮に基づき治療後ある程度の時間が経過し、かつ活発な社会活動や対人関係をもつ対象が必要であると判断し、乳がん患者会の参加者の募集を募ることとした。平成21年度は、乳がん患者会との調整のための、活動を開始し、現在は大阪府を拠点とする2つの乳がん患者会に参加し、個別インタビューに先立った全体的な関係作り、調整を実施中である。質の高い面接実施のためのこれらの準備に基づき、来年度は直接の面接調査を実施する予定である。
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