研究課題/領域番号 |
20592579
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤原 千惠子 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (10127293)
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研究分担者 |
河上 智香 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30324784)
新田 紀枝 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (20281579)
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キーワード | 看護ケア / レジリエンス / 先天性疾患 / 子ども / 親 |
研究概要 |
先天性内臓疾患の子どもをもつ親のレジリエンス強化プログラムの検討を目的に、先天性心疾患の乳幼児と学童をもつ親17名、口唇口蓋裂の乳幼児をもつ親15名のレジリエンスに関する面接データをGrotberg (1995)・Hiew (2000)の"I can"、"I am"、"I have"および"I will"の枠組みで内容を抽出し、研究者間で一致を図り、信頼性を保った。先天性心疾患グループでは、250コードから、78サブカテゴリー、19カテゴリーに分類できた。"I can"では子どもの病気という現実の受け止めや将来の希望など2カテゴリー、"I am"では自分の役割や遂行力を自覚する要因の6カテゴリー、"I have"では周囲の人からの理解ある支援や情報提供の11カテゴリーがあげられていた。この研究成果は、2011年6月の第10回国際看護学会で発表するための演題登録を行った。また、口唇口蓋裂グループでは、56サブカテゴリー、10カテゴリーに分類できた。"I can"では子どもの病気への種々の対処行動の3カテゴリー、"I am"では子どもの存在を肯定的受け止めができること等の3カテゴリー、"I have"では周囲の人たちからの有益な支援や情報提供の3カテゴリー、"I will"では治療や育児に対する強い意志の2カテゴリーがあげられていた。この研究成果は、2011年6月の日本家族看護学会第18回学術集会で発表するための演題登録を行った。 先天性消化管疾患の乳幼児をもつ親5名の分析データと上記2つの研究グループの分析データを基に、レジリエンスを促進するアプローチについて検討を行った。面接した母親のデータからは、疾患に限らず多様なレジリエンス要因が見出せた。また、その内容は、疾患の違いがあっても似通っており、共通する項目も多かった。面接によって母親自身の対処や努力を語ることから、今まで意識していなかったレジリエンス要因を母親自身が気づくことや再認識できたことも述べられた。以上から、母親に分析結果をフィードバックすること、不足してしる支援を検討することが有効であると考えられる。
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