研究課題/領域番号 |
20592587
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
石走 知子 鹿児島大学, 医学部, 助教 (00335051)
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研究分担者 |
若松 美貴代 鹿児島大学, 医学部, 助教 (50433074)
三浦 陽子 鹿児島大学, 医学部, 教務職員 (70244275)
井上 尚美 鹿児島大学, 医学部, 講師 (70264463)
下敷領 須美子 鹿児島大学, 医学部, 准教授 (10315418)
吉留 厚子 鹿児島大学, 医学部, 教授 (40305842)
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キーワード | 対処行動 / 受診行動 / 受診率 / 保険証利用 / 親 / コーピング / 認知的評価得点 / 受診イメージ |
研究概要 |
本研究の目的は、思春期学生(大学生・高校生)のセクシュアル・ヘルスにかかわる問題への対処意識の向上を 目的とした介入研究を行うことにより、思春期保健向上のための一方策を得ることである。本年度の研究は、国内外の文献から、思春期学生の性の問題に関連する対処行動を予測する要因や課題を抽出し、調査済みの認識・実態データについて、抽出された要因や課題の視点から分析を加え検証するという2つの基礎的プロセスを実施した。研究成果は、以下のとおりである。1)文献検討:思春期の性の問題での対処・受診行動に関する研究は国内で少なく、男子の調査、研究モデルを用いた調査はなかった。介入研究は海外、国内ともに少ない。受診行動に影響する要因として、「個人」として抱える疾患やリスクの程度、「親」の意思やコミュニケーションの程度、情報源としての「友人」、「パートナー」との関係性、相談相手としての「教員」「兄弟」、「専門家」として配慮のあること等の人的要因、「学校」に併設された施設や保健指導、「専門施設」の受け入れ状況、「保険加入」「経済状況」等のその他の要因があった。2)データ分析:分析(1)お小遣い、保険証利用、親との関連:女子の場合小遣い額が多いほど性に関する受診経験が多くなった。性に関する問題が深刻になるほど保険証利用への抵抗感を示す者が多い。性に関する問題の場面遭遇思考・場面遭遇経験のない者は、費用負担や受診時付添い希望に親を選ぶ傾向が強く、大学生よりも高校生、男子よりも女子に多い。分析(2)医療系女子大学生と一般女子学生の比較:受診経験は医療系が多く、対処行動に関しても多く選択、認知評価得点も高かった。これらには、医学教育の影響による場面遭遇思考経験が影響していると考えられた。分析(3)診療科選択、希望する対応、受診イメージについて:望ましい病院選択を多くの者ができ、思春期外来の希望も多かった。プライバシーの保持と医療者の対応のよさを望んでいた。受診イメージは良し悪しだけでなく、イメージの有無が対処行動の選択に多く関連する。
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