1.研究の概要 本研究は、標準的な二次医療圏の回復期病院に焦点をあて、回復期の入院における生活の場までの療養行程と生活の場へ復帰するためのケア方法を明確にすることを目的とした。 対象病院の圏域は1市3町村、人口8万、病院は回復期リハビリテーション病棟を有する150床の一般病院である。本年度は、平成19年度の遡及的調査から、急性期病院からの転入者の患者特性、退院時の心身の状態と退院先、入院期間、居住地医療圏、退院先施設の機能などの調査を行い項目ごとに整理、計数し割合を算出した。 2.結果の概略 平成19年度、急性期病院からの転入者は、292名、うち死亡22名、データ不明者5名を除く265名について集計した。男性151人(43%)、女性114人(57%)、退院時の平均年齢は76.7(SD11.1)歳、ADLはB1 88人(33.2%)、B2 77人(29.1%)、認知症はなし107人(40.4%)、II b56人(21.1%)、介護保険は申請なし(入院時170人:64.2%、退院時60人:22.6%)、申請中(入院時16人:25.7%、退院時68人:25.7%)、退院時、要介護3 15.8%、要介護210.6%の順であった。回復期リハビリ病棟への転入患者は75.5%、平均在院日数は81.4(SD54.1)日、家族構成数は独居16.6%、2名28.3%、3名以上52.1%、退院時医療処置を有する者は13.2%、居住地が対象医療圏内者は84.5%であった。 退院後の移行先は、自宅60.0%、病院15.5%、有床診療所0.4、介護老人保健施設18.9%、介護老人福祉施設3.0%、グループホーム1.1%、その他1.1%であった。
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