本研究は、注意・遂行機能とそのメタ認知に生じる加齢変化について検討することを目的とし特に展望記憶と時間知覚に注目した。意図の実行に関連する展望記憶の年齢差とそのメタ認知(自己認識)について年代間で比較した結果、20歳代と40歳代では課題成績を過小評価していた。一方50歳代、60歳代では課題成績と自己評価との間に有意な差は認められなかった。更なる分析の結果、展望記憶のメタ認知(課題成績の自己評価)の背景要因は年齢によって異なる可能性が示唆された。同様に、時間知覚のメタ認知についてもその背景要因には年齢差がある可能性が示唆された。
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