研究概要 |
【対象】CVA患者群12名(64.9±11.12歳)(CVA群),整形患者群16名(70.8±7.3歳)(整形群),健常群11名(64.4±6.5歳)の3群であり全員右手利きでった.CVA群は右片麻痺で書字についての利き手交換訓練は未実施,重度の高次脳機能障害は無く,ペンを提示しデモンストレーションによって課題遂行が可能な人とした.3群間で男女の比,年齢に差は無かった.対象者全員に目的を説明し,了承を得た.【方法】課題は,ペンタブレット上に提示された8個の図形を左手でなぞる活動を10回繰り返すことであった.1回なぞるごとに約1分間の休憩を挟んだ.計測データは,描画時間,筆圧,描画面積,描画軌跡長であった.測定機器はワコム社製ペンタブレットDTZ-2100Dで,筆圧計測のサンプリング周波数は20Hzとした.分析の対象は8個の図形のうち円描画とした.円は直径3cmで描画時には右周りに描画するよう指示した.【結果】有意な差を認めたのは,9回目の平均筆圧,面積差であった.平均筆圧はCVA群169.41±;47.07整形群138.70±37.03健常群123.33±39.34レベルであった.面積差はCVA群114.12±04.58整形群63.49±69.53健常群43.87±22.07mm^2であった.多重比較で平均筆圧はCVA群が整形・健常群に比べて高く(p<0.05)面積差もCVA群が整形・健常群より大きかった(p<0.05).群内比較では2回目と9回目で3群ともに差は認めなかったが,CVA群では平均筆圧,面積差が増加傾向であった.
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