インドネシア・バリ州で話されているバリ語の2大方言の1つであるバリ語山地方言を対象に、ブレレン県プダワ村の調査をもとに、もう一方の方言であるバリ語平地方言との対比の視点から、基礎語彙を調査し、方言学的に重要な構造的特徴(音韻構造、語彙特徴)を明らかにすることができた。また、主に面談調査に基づき、その地域の社会言語学的実態を考察した。さらに、言語構造と社会構造の相互作用に関わる言語現象であるコード混在(コードスイッチング)に注目し、山地方言話者の会話資料を収集・記述し、バリ語平地方言とインドネシア語のコード混在のメカニズムと対比する観点から、分析を開始した。
|