• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

日本人英語学習者の英文読解において接続語句が概要把握に及ぼす効果と指導への応用

研究課題

研究課題/領域番号 20720148
研究機関愛知県立大学

研究代表者

池田 周  愛知県立大学, 文学部, 准教授 (50305497)

キーワード英語教育 / 英文読解 / 接続語句
研究概要

平成20年度は1)テクスト情報間の論理関係のタイプとそれらを表層構造上に表すlinguistic markersの体系的分類、および2)読解における論理関係の把握とlinguistic markersの影響に関する諸理論の概観を通して、日本人EFL学習者の英文読解における困難点の考察を試みた。論理関係の把握プロセスを解明する認知的研究によると、情報のつながりはadditive relationsまたはcausal relationsに大別される。また論理関係の違いによって読み時間が変化したり、読後の想起に含まれる情報の割合が異なることなどを指摘する研究結果から、読解中のcausal relations把握の重要性がうかがえた。
またlinguistic markersが読解に及ぼす影響については、相反する研究結果がみられた。markersが含まれると、それらが明示する論理関係でつながる情報の読み時間が速くなることから正の影響を指摘する研究がある。一方、markersの読後の想起への影響は、タスクを与えるタイミングの影響を受けるとされている。読解中にmarkersが短期記憶内に取り込まれても、それらが長期記憶まで保持されるのか、また情報を関連づけて心的表象に一貫性を持たせる処理が、読解中にon-lineで行われるのか、あるいは読後にoff-lineで行われるのかを考慮すべきである。第二言語での短期記憶容量は一般に母語のものより小さいと推測されており、この点を考慮すると、EFL読解指導においては特に、linguistic markersを意識的に利用して読解中に情報の関係づけを行う方略の習得の必要性が裏づけられた。今年度の成果は、次年度における日本人EFL学習者を対象とした読解中の接続語句利用と論理関係把握に関する調査に向けて重要な論理的基盤となった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] EFL読解におけるCausal Coherence Relationsの把握について2009

    • 著者名/発表者名
      池田周
    • 雑誌名

      愛知県立大学文学部論集英文学科編 57

      ページ: 41-64

  • [雑誌論文] 認知的アプローチによるcoherence relationsの分類と読解における役割2009

    • 著者名/発表者名
      池田周
    • 雑誌名

      Mulberry(愛知県立大学文学部英文学科) 58

      ページ: 121-145

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi