本研究は、日本近世の宗教に関する個別研究の成果を総合化し、包括的・通時的展望を図るための論点を提起すべく、近世における宗教をめぐる通念の形成と変容とについての検討を行うものである。具体的には、(1)通念の形成過程における、地域社会・宗教者・諸教団・幕藩権力などの相互間の情報流通・伝達の具体相の解明、(2)社会における宗教をめぐる観念・通念の具体的なありかた、形成のされ方の解明、(3)教団構造や、宗教施設と地域社会との関係をめぐる構造分析的研究の三種のアプローチにつき、(1)(2)を中心に適宜(3)を加味し、有機的に関連させつつ研究を進める。
|