本研究の目的は大きく2つである。 (1)中古住宅市場と家計の資産選択の行動との関連性を検証する。具体的には、日本の家計による有価証券等のリスク金融資産への投資が少ない要因として、日本における中古住宅の流動性の低さ(中古住宅市場が未発達であること)が影響しているか否かを、理論と実証の両面から分析する。 (2)住宅ローンの性質と家計の資産選択の行動との関連性を検証する。特に、日本特有の住宅ローンのリコース性(債務履行請求が担保物件の住宅以外に及ぶこと)に着目し、家計の資産選択の行動に与える影響を分析する。
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