インターネットの普及に伴い、インターネット上で成立するバーチャルな共同体、ネットコミュニティが多数成立するようになっている。これらのネットコミュニティに対しては、社会学や心理学における興味のみならず、われわれ経営学の分野からも、BtoCやCtoCのコミュニケーション構築を可能にする新しいビジネスモデルとして注目が集まっている。本研究では、こうしたネットコミュニティの特性や現代的な意義について、国際的な比較分析を通じて明らかにするとともに、そのビジネスモデルとしての可能性について考察することを目的とする。 このさい、焦点があてられるのはネット・コミュニティにおける仮想経験の存在である。バーチャルな世界においても、現実世界に近い形での経験を与えることが可能なのかどうか、あるいは、もし可能であるとするのならば、それはいかに実現され、またいかなる効果を持つことになるのかを明らか。さらに、今日ではネット・コミュニティへのアクセスは、一様のPCからではなく、モバイルなどによっても媒介されるようになっている。こうした状態をメディアとの関係性という視点から考察した。特に、本年度は、最終年度として、予定を繰り越して研究を進め、特に近年注目されるソーシャルメディアを考察し、そのコミュニティ構築の新しい可能性を模索した。
|