本研究は、住民の主体形成を図りコミュニティソーシャルワーク実践を促進していくために必要な要因を明らかにすることを目的として、4自治体を選定しヒアリング調査等を行った。その結果、「小地域担当専門職チームの配置」により地域住民の生活課題に即して住民の主体形成を図り、専門職との協働による地域生活支援が促進されることが明らかとなった。しかし一方で、この方法では専門職の地域を捉える視野が狭くなりやすいため、同時に全体を見渡す役割を持った専門職の配置が必要であることや、適切な専門機関につないでいく機能も不可欠であることが明らかとなった。従って本研究の成果として、住民の主体形成を図りながらコミュニティソーシャルワークを展開していくためには、小地域を担当する第一線のチームと広域的なエリアを対象としたスペシャリストチームによる二層システムの構築が必要であることが明らかとなった。
|