本研究は、1週間に1時間弱という短時間の面接セッションを継続的に繰返して行う箱庭療法が、どのようにして来談者の日常生活での治療的な変化へと結びついていくのかを記述すべく、非臨床例の箱庭制作とインタビュー(2セッション×3名)、および箱庭療法を用いた臨床事例(11例)をデータとして質的分析を行った。その結果、継続的に行う箱庭療法が治療的に働く際には、面接セッションの1時間に、あたかも来談者が生きる全ての時間が「凝縮」されるかのように体験されていることが示唆され、そのことが箱庭表現の変化を日常生活での治療的変化へと結び付けていると考えられた。
|