研究概要 |
多変数保型形式に付随するL関数(保型的L関数)の解析的性質(解析接続,関数等式,極の位置)をその積分表示(ゼータ積分)を用いて明らかにする.具体的には,次数2の非正則Siegel尖点形式から定まる,スピノールL関数と標準L関数と呼ばれるそれぞれ4次または5次のオイラー積で定義されるL関数を主たる考察対象とする.このうち,スピノールL関数に関しては,研究代表者らの結果を必ずしも大域Whittaker模型を持たない一般のSiegel尖点形式に拡張する事が目標となる.いずれのL関数に関しても,フーリエ展開の局所理論(Whittaker模型,新谷模型)が不可欠であり,その整備が一つの研究の柱となる.
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