研究概要 |
最適制御では評価関数を最大化または最小化することを目標とするため,たとえ問題の背後に線形性があったとしても結果的に非線形性を持つ量が現れる.したがって,最適制御に対して線形性に根ざした数学理論は直ちに適用できない場合が多い.一方で実数における和と積をmaxと和で置き換えて得られるmax-plus代数と呼ばれる代数系を用いると多くの非線形性が線形と見なせ,近年,最適制御においてmax-plus代数を利用した研究が活発に行われている.本研究課題では,決定論的制御や確率制御に対してmax-plus代数やmax-plus確率的アプローチを試みることを目的とする.既存の理論とは異なるmax-plus的観点に基づく新たな数学的手法や理論を展開し,それらの有用性を明らかにする.
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