研究概要 |
マルコフ過程のエクスカーション(以下,周遊)理論とは,複雑な様相を呈するマルコフ過程の標本路を与えられた点を起終点とする道の断片に分割して得られた周遊点過程の確率論的振る舞いを明らかにする理論であり,標本路の再帰構造を究明する強力な理論である. 本研究の目的は,マルコフ過程の周遊理論を新しい視点から発展させることである.具体的な問題として,マルコフ過程(特に,拡散過程及びレヴィ過程)の極限定理への応用,弱流出境界を持つ消滅ポテンシャルつき拡散過程の標本路の構成,周遊の成す凸集合の端点集合の決定問題,に取り組む.
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