(1)平行平板間におけるStokes方程式のレゾルベント問題に対する解を、可積分性を表す指数が∞であるような関数空間において評価し、Stokes作用素が解析的半群を生成することを証明する。そして、この解析的半群に対するいくつかの評価式をもとに、有界一様連続な関数を初期値とするNavier-Stokes方程式の初期境界値問題に対する時間局所解を構成する。 (2)平行平板間におけるNavier-Stokes方程式の特殊解には、空間遠方で減衰しないものが数多く存在する。これらの安定性や不安定性を、特殊解自身の属する関数空間で論じる。 (3)自身の研究で得られたStokes方程式の解のMaximal Regularityを利用して、平板上に存在する非圧縮性粘性流体の自由境界問題に対して、十分小さな初期値を与えた場合に時間大域解を構成する。 (4)Neumann境界条件を課した3次元平行平板間におけるStokes方程式の解を、部分Fourier変換を利用して具体的に表示し、2枚の板の間の距離を小さくした時の挙動を調べる。これを基礎として、3次元平行平板間におけるNavier-Stokes方程式の解を構成し、板の間の距離を小さくすることにより、2次元Navier-Stokes方程式の解の漸近挙動を捉える。
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