本研究は、雪国に建つ建築物を対象に、稀に起きる豪雪による被害と毎年のように繰り返し起きる日常的な雪の問題の二つを合わせて「建築物の雪害によるリスク」と捉え、雪害の発生確率と発生による損失を統計データの分析から定量化することにより、建築物の雪害によるリスクの評価手法を提案し、これまで検討されていない雪害リスクマネジメントを体系化することを目的とする。研究では、アンケート調査により豪雪地帯で起きている雪害内容を把握した。特に北海道では、敷地内の雪の問題、吹雪による問題が大きなリスク要因となっていることが明らかになった。雪害のリスクを評価する手法として、多変量解析に基づく雪害発生の判別、損失期待値に基づくリスク評価法を検討し、雪害リスクマネジメントのフローを提案した。
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