研究課題
若手研究(B)
造礁サンゴは褐虫藻と共生するが、初期生活史における共生系成立過程については不明な点が多い。本研究では、サンゴ幼生や初期ポリプがいつどの遺伝子型の褐虫藻を獲得し共生系を成立させるかを、室内実験と野外調査により明らかにした。その結果、幼生9種で褐虫藻獲得が確認され、獲得には内部構造の発達が重要であること、自然条件下でも幼生が様々な遺伝子型の褐虫藻を獲得すること、定着後1カ月、1年以上経過したポリプともに複数の褐虫藻タイプと共生していたが、後者ではあるタイプは出現しなくなることが明らかとなった。これより、サンゴの初期生活史では褐虫藻獲得に選択性はなく、成長とともにより共生に適した褐虫藻遺伝子型に変化することが示唆された。
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