研究課題
若手研究(B)
樹幹材のミクロフィブリル傾角(MFA)は、若齢時に形成される未成熟材で大きいが、MFAの値とMFAが大きい範囲は樹種やクローンによって異なることから、MFAは遺伝的形質でありながら、その形質の発現には、成長にともなって変化する要因が影響を及ぼしていると考えられ、力学特性が作用している可能性がある。本研究では、未成熟材のMFAが異なるスギクローンおよびMFAが小さいトウヒを用いて、地上部と根系の構造を調べるとともに、重力影響下にある樹幹材・枝材と重力の影響を無視できる根材の性質を比較した。根系構造は、樹幹材のMFAや強度的性質が異なるスギクローン間および樹種間で異なった。スギ若齢木におけるMFAのクローン間差は、樹幹材で大きく、根材で小さかったことから、MFAの樹幹内変動は地上部での現象であることが明らかになった。根材は、あて材を形成せず、偏心成長し、成長応力解放ひずみの分布は、中心に対して対称ではなかった。
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wood density and shrinkage, Bulletin of Forestry and Forest Products Research Institute 9(2)
ページ: 19-29
木材学会誌 56(4)
ページ: 258-264