研究課題
若手研究(B)
酸化ストレスは、消化管における粘膜の炎症などに関与している。さまざまな動物および植物由来タンパク質の抗酸化作用が研究されており、卵白タンパク質、卵黄タンパク質、大豆、乳カゼインなどのさまざまなタンパク質の加水分解によって生じた抗酸化ペプチドが報告されている。最近、卵黄タンパク質であるホスビチンやその分解物であるホスビチンホスホペプチド(PPP)の抗酸化作用も明らかとなっている。炎症性ケモカインであるインターロイキン-8(IL-8)は酸化ストレスによって誘導され、抗酸化物質によって抑制されることが明らかになっている。過酸化水素はヒトの上皮由来細胞においてIL-8を産生することも知られている。本研究では、腸管上皮由来のCaco-2細胞を用い、PPPのモデルペプチドとして、化学合成したポリホスホセリンのIL-8産生に及ぼす影響について調べた。IL-8産生は、ELISA(酵素免疫測定法)によって調べた。その結果、合成したポリホスホセリンは、Caco-2細胞における過酸化水素が誘導するIL-8の産生を有意に低下させることが明らかとなった。また、その阻害は濃度依存的であった。本研究結果から、ホスホペプチドが酸化ストレスによる腸管の炎症を緩和させる可能性が示唆された。
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