申請時の計画どおり、本年度は前年度までの成果に応じてフレキシブルに取り組んだ。前年度に点変異型AS2の解析から、タンパク質間相互作用の重要性が浮かび上がってきたので、本年度はこの成果を深化させる解析に注力した。その結果、以下がわかった。1)AS2は、AS2/LOBドメインを介してAS1のNおよびC末端側に独立に相互作用することとホモ二量体化することがわかった。2)AS1のN末端側との相互作用能に不全のある点変異型AS2にAS1を人工的に融合させることで、野生型同様のAS2の機能を回復した。つまりAS1とのタンパク質間相互作用は、AS2の機能に必須であることが証明できた。3)AS2のC末端側のユニークな領域の役割はホモ二量体化を効率化することであり、この効率化がAS2の機能に重要であることがわかった。4)AS2タンパク質は、その機能に細胞間移行する必要は見いだせなかった。このことから、AS1-AS2複合体は両遺伝子の発現する細胞で形成されることが示唆された。5)AS1との相互作用に影響が認められないがAS2の機能に不全を来すアミノ酸置換をAS2/LOBドメイン内に複数見いだした。また、hdt1およびhdt2の変異体を取得することができた。今後はHDT1/2からのアプローチを継続することで、AS1-AS2複合体とHDT1/2が共同的に葉の形態決定を担う分子機構に迫ることができると期待される。
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