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2010 年度 実績報告書

組織型プラスミノーゲン活性化因子とストラムライシン-1による脳血管障害の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20790204
研究機関浜松医科大学

研究代表者

鈴木 康裕  浜松医科大学, 医学部, 助教 (00324343)

キーワード組織型プラスミノーゲン活性化因子 / 脳梗塞 / 脳内出血
研究概要

組織型プラスミノーゲン活性化因子(t-PA)の脳梗塞治療開始遅延による脳出血の危険性を回避できれば、治療有効時間が延長でき、より多くの患者を救命することができる。虚血下内皮細胞におけるt-PA、LDL related-protein 1 (LRP-1),転写因子NF-κB、ストラムライシン-1(MMP-3)が重要な因子であり、これらの関係がt-PA治療による脳血管障害の重要な経路であることを見出した。マウス脳微小血管内皮細胞b.End3(ATCC,USA)を用いて虚血刺激(低酸素・低グルコース)とt-PA添加によって炎症に関係する因子がmRNAレベルで変化していること見出した。現在、虚血刺激とt-PA刺激が相乗反応となる因子を探索している。
これまでの中大脳動脈閉塞モデルを遺伝子改変動物に適応するとその傷害による一次的な脳梗塞の違いから、続く病態生理学的な反応に影響を与え、遺伝子改変した因子による病態生理学的な反応に言及することが困難であった。例えば、t-PA遺伝子欠損マウスは中大脳動脈永久閉塞モデルにおいて脳梗塞が野生型に比して縮小することを我々は報告している。そこで、脳梗塞の大きさを一定した動物病態モデルの確立を行った。色素であるローズベンガルと540nmの緑色光の光化学的な反応を利用してモデルの開発を行い、様々な系統のマウスを調べたところ、系統に因らず一定の大きさの脳梗塞を作成することができた。また、光量を調節することによって与える脳梗塞の大きさを調節することができた。現在、t-PA遺伝子欠損マウスに適用し脳血管障害における病態生理学的な変化および行動薬理学的な変化を検討中である。今後、この動物モデルを用いて線溶因子あるいはMMPs遺伝子欠損動物に適用して脳血管障害の修復に関わるプロセスを解明していく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Role of tissue-type plasminogen activator in ischemic stroke.2010

    • 著者名/発表者名
      Yasuhiro Suzuki
    • 雑誌名

      Journal of Pharmacological Science

      巻: 113 ページ: 203-207

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 組織型プラスミノゲン活性化因子(t-PA)はリポタンパク質受容体関連タンパクを介してストロメライシン-1(MMP-3)を内皮細胞で誘導する2010

    • 著者名/発表者名
      鈴木康裕
    • 雑誌名

      日本血栓止血学会誌

      巻: 21 ページ: 308-313

    • 査読あり
  • [学会発表] 光増感反応を用いて脳梗塞巣の大きさを一定にしたマウス病態モデルの確立2011

    • 著者名/発表者名
      鈴木康裕
    • 学会等名
      第84回日本薬理学会学術集会
    • 発表場所
      横浜パシフィコ(誌上開催)
    • 年月日
      2011-03-23

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公開日: 2012-07-19  

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