近年、炎症性腸疾患の低年齢化が進んでおり、食生活や衛生環境の変化が大きく関与していると考えられている。発達過程である小児領域の炎症性腸疾患の免疫学的変化の検討と免疫調節薬による治療効果を検討した。活動期の潰瘍性大腸炎、クローン病ともにIL-4とIL-6の発現が有意に上昇しており、更に活動期の潰瘍性大腸炎では、GATA3とSTAT4の有意な発現を認め、IL-4の上昇とGATA3、STAT4の有意な発現は小児潰瘍性大腸炎の活動期に大きく関与していると考えられた。また、免疫調節薬6MPは、欧米と比べ少ない投与量で維持されていたが、代謝産物6TGNは約1.5倍高値であり、代謝に関する人種差、他の薬剤との併用による影響が関与していると考えられた。
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