エピジェネティクス治療薬による腫瘍抗原発現とT細胞感受性の増強

2009 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20790930
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 外科学一般
• 研究機関: 島根大学
• 研究代表者: 原嶋 奈々江 島根大学, 医学部, 助教 (60345311)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2009
• キーワード: 腫瘍 / 免疫 / エピジェネティクス / 薬剤反応性

研究概要

腎細胞癌細胞、前立腺癌細胞をDNAメチル化阻害剤で処理してもほとんど細胞増殖抑制が見られなかったのに対し、エピジェネティクス治療薬のひとつであるヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(HDACi)処理後は著しい癌細胞の細胞死誘導及び生存率の低下が認められた。HDACiによる癌細胞死の誘導は、薬剤濃度依存的且つ経時的であった。また、HDACi処理後も癌特異抗原の発現は失われず、T細胞が標的として十分認識いうる状態を維持できることがわかった。

研究成果

• [雑誌論文] Immunogenic chemotherapy with cyclophosphamide and doxorubicin against established murine carcinoma. (2009)
  • 著者名/発表者名: Tongu M, Harashima N, Yamada T, Harada T, Harada M
  • 雑誌名: Cancer Immunol Immunother. 59(5) ページ: 767-777
  • 査読あり
• [雑誌論文] Roles of proinflammatory cytokines and the Fas/Fas ligand interaction in the pathogenesis of inflammatory myopathies. (2009)
  • 著者名/発表者名: Kondo M, Murakawa Y, Harashima N, Kobayashi S, Yamaguchi S, Harada M
  • 雑誌名: Immunology 128 ページ: e589-599
  • 査読あり
• [雑誌論文] Impaired Tax-specific T-cell responses with insufficient control of HTLV-1 in a subgroup of individuals at asymptomatic and smoldering stages. (2009)
  • 著者名/発表者名: Shimizu Y, Takamori A, Utsunomiya A, Kurimura M, Yamano Y, Hishizawa M, Hasegawa A, Kondo F, Kurihara K, Harashima N, Watanabe T, Okamura J, Masuda T, Kannagi M
  • 雑誌名: Cancer Sci. 100 ページ: 481-489
  • 査読あり
• [雑誌論文] ( *These authors contributed equally to this work. ) Regression of human kidney cancer following allogeneic stem cell transplantation is associated with recognition of an HERV-E antigen by T cells. (2008)
  • 著者名/発表者名: Takahashi Y*, Harashima N*, Kajigaya S, Yokoyama H, Cherkasova E, McCoy JP, Hanada K, Mena O, Kurlander R, Tawab A, Srinivasan R, Lundqvist A, Malinzak E, Geller N, Lerman MI, Childs RW
  • 雑誌名: J Clin Invest. 118 ページ: 1099-1109
  • 査読あり
• [学会発表] TLR3リガンドによる前立腺癌細胞のアポトーシス (2009)
  • 著者名/発表者名: 原田守
  • 学会等名: 第39回日本免疫学会
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 2009-12-02
• [学会発表] TLR3リガンド刺激により誘導されるtype-I IFNを介する前立腺癌細胞の細胞死 (2009)
  • 著者名/発表者名: 原嶋奈々江
  • 学会等名: 第68回日本癌学会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2009-10-02
• [学会発表] Immunogenic chemotherapy with cyclophosphamide and adriamycin against established murine colon carcinoma. (2009)
  • 著者名/発表者名: 原田守
  • 学会等名: 第13回日本がん免疫学会
  • 発表場所: 北九州
  • 年月日: 2009-06-25
• [学会発表] 炎症性筋疾患の病態における炎症性サイトカインとFasの役割 (2008)
  • 著者名/発表者名: 近藤正宏
  • 学会等名: 第38回日本免疫学会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 2008-12-01
• [学会発表] 成人T細胞白血病の免疫学的リスクファクター (2008)
  • 著者名/発表者名: 清水由紀子
  • 学会等名: 第38回日本免疫学会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 2008-12-01
• [学会発表] Cyclophosphamideとadriamycinによる抗がん免疫応答の誘導 (2008)
  • 著者名/発表者名: 頓宮美樹
  • 学会等名: 第67回日本癌学会
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 2008-10-29
• [学会発表] 同種造血幹細胞移植後の腎細胞癌患者由来T細胞が認識するHERV-E由来新規腫瘍抗原CT-RCCの同定とその発現解析 (2008)
  • 著者名/発表者名: 高橋義行
  • 学会等名: 第67回日本癌学会
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 2008-10-29
• [学会発表] 一部のHTLV-Iキャリアとくすぶり型ATLはTax特異的T細胞応答の減弱と高プロウイルス量を示す (2008)
  • 著者名/発表者名: 清水由紀子
  • 学会等名: 第67回日本癌学会
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 2008-10-29
• [学会発表] ATLおよびその前段階におけるTax特異的T細胞の低応答性:免疫学的ATL危険因子とその回避 (2008)
  • 著者名/発表者名: 神奈木真理
  • 学会等名: 第1回HTLV-1研究会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2008-08-24
• [学会発表] 同種造血幹細胞移植後の腎細胞癌患者由来T細胞が認識する新規腫瘍抗原の同定とその発現解析 (2008)
  • 著者名/発表者名: 原嶋奈々江
  • 学会等名: 第12回基盤的癌免疫研究会
  • 発表場所: 埼玉
  • 年月日: 2008-07-02