ケラチノサイト増殖因子(KGF)とその受容体(KGFR)は膵臓癌の増殖・浸潤に重要な役割を果たしている。培養膵臓癌細胞にリコンビナントKGFを投与すると、濃度依存的に膵臓癌細胞の増殖が進行し、それに関連してERKやp38といったMAPKが活性化された。一方、プロテオグリカンの一つであるルミカンの膵臓癌における発現量を調節したところ、ルミカンの発現量と細胞増殖及びERKの活性化に正の相関関係が認められた。KGFとKGFRの結合の安定化にはプロテオグリカンが必要なことから、ルミカンはKGF/KGFR系の活性化を制御することで膵臓癌の増殖を制御している可能性が考えられた。
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