研究概要 |
本研究では、大動脈瘤に対する低侵襲手術のための治療デバイス開発を行った。動脈瘤の進展を防ぐDoxycycline(DOXY)に着目し、生体吸収性材料(ポリ乳酸)とDOXYを混和してelectrospinning法で紡糸し担体を作製した。DOXYの徐放化が可能で、平滑筋細胞やマクロファージと共培養するとMMPs、カテプシン、炎症性サイトカイン、ケモカインを抑制し、エラスチン発現が亢進した。大動脈組織との共培養ではエラスチン分解が抑制され、MMP-2の発現も抑制した。さらに、アポE欠損マウスによる大動脈瘤モデルでは、エラスチン分解抑制、MMP2,9、IL-6、TNF-αの発現抑制、TIMP-1、IGF-1の発現促進を認め、新たな動脈瘤治療の可能性が示唆された。
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