本研究では、ラット口蓋骨欠損モデルを作成し、種々のサイトカインの中でも骨成長に関与するBMPとbFGFによる移植骨への生着効果を明らかにすることを目的とした。ラット口蓋骨欠損モデルの作成および移植した骨の定量的評価法の確立のため、実験動物には生後40日齢雄性Wistar系ラットをもちいた。結果として、ラット口蓋骨欠損モデルの作成は、第一臼歯部の口蓋部粘膜を剥離し、直径1mmの半球状にラウンドバーにて口蓋骨を削除する手技を実施し確立した。骨移植方法については、ラット大腿骨からの骨採取は困難であった為、ラウンドバーで削除した骨を採取してフィブリン糊と混合し骨欠損部へ填入する方法をとることで対応できた。移植骨のサイトカインによる効果については、定性的には移植骨に加えたBMP2とBMP7のうちBMP2が骨増生に良好な結果を示すと考えられた。今後の課題としては、定量化の確立とbFGFによる効果の確認が必要である。
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