目的:本研究の目的は、(1)看護者の効果的な行動変容支援に繋げるために、透析患者におけるProchaskaの変化ステージ別におけるレディネス関連要因を明らかにすること、(2)透析患者のレディネス関連要因を把握した上で、臨床において使用できるレディネス把握のためのツールを開発する、(3)レディネスの必要条件にある態度について質的研究で明らかにすることである。 結果・考察:態度とは「人や事物、社会問題に対してもつ、一般的で持続的な、肯定的または否定的な感情」であり、感情、認知、行動の3成分をもっている。その3成分に対してデータ収集を行い、分析した結果、行動では、今回の対象は全て検査データ良好な透析歴が長い患者であったが、調味料などを1回ごとに計測するのでなく、経験知から目分量で調理を行っている対象が全員であった。その中でもカリウムが高いことを恐れる感情があり、生野菜の制限を行っていないが、必ず水でさらすという行動を行っていた。どの対象も透析導入時は栄養士の食事指導を厳密に行っていたが、毎日の調理や食事内容と検査データとの関係を振り返ることで、自分なりの経験知を習得し、徐々に厳密な管理から目分量での管理と移行していった。その行動を支えている要因の一つとして、家族の存在が示唆された。 方法:本研究では行動変容でも特に食事管理行動について検討した。レディネスの必要な条件として「身体的・神経系の成熟、すでにもっている知識や技能、興味や動機や態度」があるが、その中でも態度の概念が漠然としており、先行研究でも明らかとなっていない。また、血液透析患者の食事管理における態度は明らかにされていない。そこで、血液透析患者の食事管理における態度を明らかとするため、質的研究(エスノグラフィー)を実施した。
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