本研究は、早期食道癌に対し、より低侵襲治療を目指す消化器内視鏡治療分野、とくに広範囲粘膜切除術において、しばしば問題となる術後食道狭窄の予防をキチン含有微生物由来バイオマテリアルシートを用いて行うという試みである。本研究では、生体ブタモデルを用いた広範囲食道粘膜切除による狭窄モデルの開発に成功、また、生体ブタ皮下移植モデルによるキチン含有微生物由来バイオマテリアルシートの有効性を確認した。消化管での検討では、シートがずれたり、破れたりと潰瘍部にとどまらせることが困難であり、現在、原材料の改良など、さらなる工夫・改良を行っている。
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