研究課題/領域番号 |
20H00058
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
仙石 学 北海道大学, スラブ・ユーラシア研究センター, 教授 (30289508)
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研究分担者 |
松本 充豊 京都女子大学, 現代社会学部, 教授 (00335415)
馬場 香織 北海道大学, 公共政策学連携研究部, 准教授 (10725477)
油本 真理 法政大学, 法学部, 教授 (10757181)
磯崎 典世 学習院大学, 法学部, 教授 (30272470)
横田 正顕 東北大学, 法学研究科, 教授 (30328992)
出岡 直也 慶應義塾大学, 法学部(三田), 教授 (50151486)
小森 宏美 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (50353454)
中田 瑞穂 明治学院大学, 国際学部, 教授 (70386506)
上谷 直克 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センターラテンアメリカ研究グループ, 研究員 (80450542)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 政党政治 / 社会政策 / 福祉政策 / 新興民主主義国 |
研究実績の概要 |
2020年度はいわゆる「コロナ禍」のために、研究実施計画として想定していた研究会や現地調査を行うことがほとんどできず、結果的に2021年3月にオンラインでの研究会「東中欧のビジネス企業政党についての研究動向」(報告:中田瑞穂明治学院大学教授)を実施したのみであった。ただしこの研究会はオンラインながら積極的な議論を行うことができ、ビジネス企業政党の組織・支持を維持する戦略や、個人のビジネスと政党としてのビジネスの区分、メディアやマーケティングとの関係など、現在のヨーロッパの政党政治のあり方に関するさまざまな論点での議論を行うことができ、研究目的の一つとして掲げた「世界経済危機を契機として生じた経済状況の変化が新興民主主義国の政党政治に与えた影響」の一端について新たな知見を得ることができた。また研究代表者はこの期間に、これまでの中東欧諸国における政党政治の変容とその政策への影響に関する研究を総括し、中東欧諸国の体制転換後の政党政治の形の相違が各国における経済政策や福祉政策の相違と密接に連関していることを明らかにした単著『中東欧の政治』(東京大学出版会)を公刊したほか、2010年代後半におけるいわゆる「ポピュリズム現象」の変容に関して東欧とラテンアメリカの事例を元に検討したスラブ・ユーラシア研究センターの報告集『転換期のポピュリズム?』を取りまとめた。これらの業績は、今後政党政治の変容と社会政策の変化との関連を検討する際に必須の基盤となるものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実績の概要でも記したように、2020年度から2021年度はコロナ禍のため現地調査や海外の研究者との交流ができず、文献調査とインターネットで入手可能な資料の確認が中心となったため、本来実施していたはずの研究計画のほとんどが実施できず、そのために科学研究費補助金助成事業としての共同研究をまとめることができなかった。ただしそのような中でも、これも概要で述べたように研究代表者がこれまでの研究調査に基づく単著を公刊したほか、研究分担者も一定の成果を出しているため、今後はこれらの研究を共同研究として包括的にまとめるための論文集の刊行などを進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究計画が予定通りに進んでいないことから、2022年度はひとまず最初の目的としていた、新興民主主義国における近年の政党政治の変容に関する比較の視点からの体系的な分析を進めることとしたい。当面は文献調査とオンラインでの研究会(可能であれば対面実施も検討)を通して、複数の地域における政党政治の変容、特にその共通性と地域ごとの相違を明確にしていき、これが社会政策の変容にどのように関連しているかという論点につなげるための議論を提起できるような成果を取りまとめることを計画している。
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