研究課題/領域番号 |
20H00440
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
梅津 千恵子 京都大学, 農学研究科, 研究員 (40294251)
|
研究分担者 |
櫻井 武司 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (40343769)
真常 仁志 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (70359826)
山内 太郎 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (70345049)
宮嵜 英寿 一般財団法人地球・人間環境フォーラム(研究推進ユニット), 研究推進ユニット, 研究官 (30455232)
石本 雄大 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (10521990)
木附 晃実 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (40837655)
三浦 憲 京都大学, 農学研究科, 准教授 (00876097)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 気候変動 / 食料システム / 栄耀 / 食料安全保障 / アフリカ / レジリアンス / フィールド実験 / 貧困削減 |
研究実績の概要 |
1)栽培試験村(3サイト4ヶ村)において、引き続き複数の早生メイズ種およびソルガム種を用いて栽培試験を実施することで、それらの地域への適地性(各品種のパフォーマンス比較)、農民の種子選好要因を把握した。またソルガム栽培の村内外への普及の経過を追った。介入対象地域の作物栽培に関わる自然環境条件を調査し、気候変動リスクに対する感受性を明らかにした。 2)干ばつ常襲地帯における天候リスクへの農業生産面からの対応策の有効性を検証するため、2021年度にセンサス調査を実施したザンビア南部州の調査地域において、2022年度は介入前ベースライン調査および新作物の導入を伴う介入実験を実施した。これにより、地元農民の新作物への需要の決定要因を検証するとともに、家計消費や栄養状態への影響を翌年以降に計測するための準備とした。Journal of Rural Problemsへの論文出版を行った。 3)栄養状態を把握するために、世帯の食料摂取については食事調査FFQ, DDIを実施して調査した。微量栄養素摂取の特定を可能とする調査法の開発準備を行なった。 4)引き続き農業生産の季節性が農家の栄養状態に与える影響を分析する理論枠組を構築した。ザンビアの野外調査を通じ、構築された理論枠組の妥当性を検証し、理論枠組を改善した。また、食物消費の季節性に関する追加情報(農閑期)を取得するためのアンケート調査を2022年9月に実施した。食物消費の季節性に関する論文を、査読付き英文雑誌(Agriculture and Food Security)へ投稿した。 5)ザンビア南部農村部における小農の食事調査結果をもとに栄養摂取の検討を進めた。また、同様の地域において、食事調査の継続調査を実施した。 6)アフリカ地域の農村開発と食料・栄養問題の講師を招へいし、レジリアンスセミナーを実施した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ以降、今年度は初めてザンビアでの現地調査が可能となったため、ザンビア南部州において気候変動対応作物の介入実験と同時に世帯調査を実施した。センサス実施農村世帯1000件を対象にソルガム改良種子の配布実験を行った。メイズとソルガムの栽培試験はザンビア農業研究所の協力で継続している。地域農林経済学会の国際ミニシンポジウムに招へいされ、ザンビアにおけるフィールド実験研究の概要を発表した。
|
今後の研究の推進方策 |
1)栽培試験村(3サイト4ヶ村)において、引き続き複数の早生メイズ種およびソルガム種を用いて栽培試験を実施することで、それらの地域への適地性(各品種のパフォーマンス比較)、農民の種子選好要因を把握する。またソルガムがどのように村内外へ普及してゆくか経過を追う。介入対象地域の作物栽培に関わる自然環境条件を調査し、気候変動リスクに対する感受性を継続して明らかにする。2)干ばつ常襲地帯における天候リスクへの農業生産面からの対応策の有効性を検証するため、2021年度にセンサス調査を実施したザンビア南部州の調査地域において、2022年度は介入前ベースライン調査および新作物の導入を伴う介入実験を実施したので、2023年度はそのフォローアップ調査を実施する。これにより、地元農民の新作物への需要の決定要因を検証するとともに、家計消費や栄養状態への影響を計測する。3)栄養状態を把握するために、世帯の食料摂取については食事調査FFQ, DDIを実施して調査する。微量栄養素摂取の特定を可能とする調査法の開発を引き続き行う。4)引き続き農業生産の季節性が農家の栄養状態に与える影響を分析する理論枠組を構築しながら、ザンビアの野外調査を通じ、構築された理論枠組の妥当性を検証し、理論枠組を改善する。研究成果をAgriculture and Food Securityへ出版予定。5)ザンビア南部農村部における小農の食事調査結果をもとに栄養摂取の検討を進める。また、同様の地域において、食生活と栄養に関する現地調査を実施する。6)アフリカ地域の農村開発と食料・栄養問題の講師を招へいし、レジリアンスセミナーを実施する。
|