研究課題
痛風や尿路結石のみならず、動脈硬化症やパーキンソン病などの多くの疾患の発症・進行に尿酸が深く関わることが示されている。しかしながら、尿酸の全身動態制御を担うトランスポーターについては、消化管からの尿酸排出を担うABCG2や、腎臓における尿酸再吸収トランスポーター群以外の多くの経路について未だ明らかでない。本研究では、血清尿酸値に関するゲノムワイド関連解析(GWAS)や低尿酸血症患者のゲノム解析により見出されたものの、直接的な尿酸輸送能については不明な膜タンパク質などについて検討を行い、生理的な尿酸輸送を担う新規トランスポーターを同定すること、および、同定された尿酸トランスポーター分子を標的とした機能性食品成分を見出すことを目指す。血清尿酸値変動をもたらす食品成分は数多く知られているが、URAT1、ABCG2などの既知の尿酸動態制御因子との相互作用では説明が難しいものが多いため、重要なアプローチとなる。研究最終年度にあたる本年度(令和5年度)には、以下の点を明らかにすることができた。●全身に発現するビタミンC輸送体であるSodium-dependent Vitamin C Transporter 2(SVCT2)/SLC23A2が尿酸輸送活性も有することを、生化学的手法を用いた輸送実験により示すことができた。さらに、SVCT2による輸送のナトリウム依存性を活用し、哺乳類培養細胞において尿酸排出活性を測定するための新規実験系の構築にも成功した。●チェコ共和国との国際共同研究により、尿酸排出トランスポーターABCG2について、ABCG2タンパク質の細胞膜発現不全を生じる新たなJr(a-)血液型関連遺伝子変異を見出した。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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