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2020 年度 実績報告書

時空間分子プログラミングの新展開

研究課題

研究課題/領域番号 20H00618
研究機関東北大学

研究代表者

村田 智  東北大学, 工学研究科, 教授 (10334533)

研究分担者 川又 生吹  東北大学, 工学研究科, 助教 (30733977)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード時空間分子プログラミング / DNAコンピューティング / 反応拡散系
研究実績の概要

本研究では,(1)時空間分子プログラミングに適した反応系の設計,(2)形成したパターンの物質化,(3)シミュレーションモデルの構築の3つを研究目的としている.
初年度は,(1)の反応系の設計として,1次元のハイドロゲル空間内にDNAの重合を用いた反応システムを構築し,さらにそれをカスケード化する実験に注力した.さまざまな分子設計(各分子の鎖長および配列設計及びその組み合わせ)を試みた結果,分子鎖の長さによって各分子の拡散係数を調整することにより,シャープなパターン(2等分線)を2つの分子発生源の間の任意の位置に形成することに成功した.さらにここで形成されたパターンを次の段階の分子発生源として2段階目のパターンを形成するカスケードパターン形成の実験にも成功した.これは,第1段階の反応として2つの直交する(互いに相互作用しない)反応系により,2つの分子発生源の間に2本の線を引き,さらに第2段階の反応として,これらを分子発生源としてその間に第3の線を引く反応である.また,反応拡散の過程を長時間にわたって自動的に記録するシステムの開発も行い,反応特性に関する定量的なデータを集めることができた.(3)これらのデータをもとに反応拡散系のシミュレーションシステムを構築し,カスケード反応系を含めた重合化の実験プロセスを精度よく再現することに成功した.これらの結果について,いくつかの国際会議で発表するとともに,Soft Matter誌に論文を投稿し,現在条件付き採録の判定を得て,リヴァイズ中である.(2)の形成したパターンの物質化についてもいくつか予備実験を行っているところである.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1次元の反応空間におけるカスケード反応(2段階)に成功し,その定量的なモデルの構築もでき,最初の論文投稿ができているため.

今後の研究の推進方策

初年度の結果を拡張して,2次元的なパターン形成実験に取り組むとともに,形成されたパターンの物質化の原理,反応実装の検討を進める.シミュレータについても2次元あるいは3次元の反応拡散過程が再現できるように拡張する.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Cascaded pattern formation in DNA based Reaction-diffusion system2021

    • 著者名/発表者名
      Keita Abe, Satoshi Murata and Ibuki Kawamata
    • 学会等名
      FNANO 2021: 18th Annual Conference Foundations of Nanoscience
    • 国際学会
  • [学会発表] DNA反応拡散系におけるパターン形成のカスケード化2020

    • 著者名/発表者名
      安部桂太,村田智,川又生吹
    • 学会等名
      第4回分子ロボティクス年次大会(併催分子ロボット倫理シンポジウム)
  • [学会発表] DNAの重合反応を応用した反応拡散系のプログラムによるハイドロゲル中でのパターン形成2020

    • 著者名/発表者名
      安部 桂太, 川又生吹, 村田 智
    • 学会等名
      SICE分子ロボティクス研究会第2回オンライン定例研究会
  • [学会発表] 合成DNAによる反応拡散系のプログラムを用いたハイドロゲル中でのパターン形成2020

    • 著者名/発表者名
      安部桂太
    • 学会等名
      第3回 非線形科学オンライン研究会(若手の会)
  • [学会発表] Cascaded Pattern Formation in Hydrogel using Reaction-Diffusion System2020

    • 著者名/発表者名
      Keita ABE, Ibuki KAWAMATA, Shin-ichiro M. NOMURA, and Satoshi MURATA
    • 学会等名
      26th International Conference on DNA Computing and Molecular Programming
    • 国際学会
  • [備考] 分子ロボティクス研究室ウェブサイト/研究成果/反応拡散によるパターン形成

    • URL

      http://www.molbot.mech.tohoku.ac.jp/achievements/

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公開日: 2021-12-27  

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