本研究は、人工的に設計した化学反応場において、分子のパターンの拡散を積極的に制御し、結果のパターンから物理化学的機能を引き出すことで、生物のような自在な化学反応場の時空間制御を「時空間分子プログラミング」として実現しようとすることを目的とする。従来、分子プログラミングで生じる化学反応の結果が自然拡散に任されてきたところに対して、保持・制御を加えることを目指す。 本研究におけるDNAプログラミングの実験的技術とシミュレーションモデルによる研究計画は、実現可能性が充分に高く、独創的である。拡散制御ができるようになることで、将来的には加工によらない、自己組織的に望みの時間空間構造を持つ化学反応場を作ることが期待される。
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