研究課題/領域番号 |
20H01193
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研究機関 | (財)古代オリエント博物館 |
研究代表者 |
月本 昭男 (財)古代オリエント博物館, 研究部, 館長 (10147928)
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研究分担者 |
高橋 原 東北大学, 文学研究科, 教授 (30451777)
田澤 恵子 (財)古代オリエント博物館, 研究部, 研究員 (30598587)
津本 英利 (財)古代オリエント博物館, 研究部, 研究員 (40553045)
平藤 喜久子 國學院大學, 研究開発推進機構, 教授 (50384003)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 地母神 / 旧石器時代 / 新石器時代 / 女性裸体土偶 |
研究実績の概要 |
2020年度は新型コロナウィルス感染拡大と研究機関(古代オリエント博物館)閉鎖により、計画していた海外調査が実施できず、研究協力者による資料整理等も十分に果たせなかったので、研究助成金の一部を2021年度への繰越を認めていただいた。だが、新型コロナウィルスの世界的感染は2021年度も収束にいたらなかったために、海外調査は2021年度も断念せざるを得なかったが、繰越が認められたため、研究協力者を得て、資料の収集を行った。 他方、研究課題である「地母神」に関する研究資料(女神土偶)および研究書・研究論文の調査・収集および分類・整理は、研究協力者を交え、研究機関にて実施した。とりわけ、研究機関(古代オリエント博物館)が開催した2021年度秋の特別展「女神繚乱」において、ヨーロッパ、西アジア、日本出土の裸の女性土偶(貴重な土偶はレプリカによる)を展示したが、その機会をとらえ、これらの女性土偶の比較検討を行った。その結果、主として旧石器時代から新石器時代にかけてユーラシア大陸各地で作成され、従来「地母神」と理解されてきたこれら裸の女性土偶を無批判に「女神」と同定することへの疑義が示された。その理由の一つは、そもそも「地母神」は農耕を背景とするが、旧石器時代は最終経済であり、農耕は行われていなかったことである。また、これらの土偶はすべて片手で掌握できるサイズであり、崇拝の対象としては小さすぎることも判明した。これらの点は今後の研究方向にとって重要な示唆となるだろう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
世界的に感染拡大した新型コロナウィルスのために、当初に予定した海外の博物館および研究機関における資料調査が実施できなかったことが最大の理由であるが、承認された繰越を最大限利用して、資料収集を行った。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度も上に記した新型コロナウィルス感染拡大により海外調査ができなかった。2022年度に実施可能かどうか、予断は許されないが、海外の考古博物館および研究機関とインターネットを介して研究交流を試み、画像資料などを収集することを試みる。
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