研究課題
基盤研究(B)
研究グループを『アート制作』『心理』『精神医学・看護』の3チームに分け相互の研究課題や結果を共有しながら進めた。それぞれのチームが匂いを用いることで体験者の記憶が高い確率で蘇ることや、そのことを分かち合うことが体験の質を高めることが確認された。その際、匂いそのものの種別よりも匂いを嗅ぐことの体験事態が記憶想起に大切であることが多くのアンケートから判明したことは大きな発見であった。またそのことを通してナタティブアートの体験キットの改良がすすんだことは大きな成果となった。また心理チームの基礎的な研究もアート作品のオブジェが記憶想起に大きく役立つことが確かめられた。
メディアアート
かおり有アート作品の鑑賞は、かおり無アート作品の鑑賞に比して、より、覚醒度、事物の想起、引き戻され感、が高い(強い)ことが明らかになった。すなわち香りとアート作品の相互の働きが体験者に過去の記憶を導き出すことの有効性が明らかになった。また香りとアート作品によって作られる空間と時間は被験者をよりリラックスさせることが明らかとなり、語り合う内容をより深く共有させ互いの親密度を増した状況を生み出すことが明らかになった。