研究課題/領域番号 |
20H01227
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01080:科学社会学および科学技術史関連
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
多久和 理実 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 講師 (20814718)
|
研究分担者 |
塚原 東吾 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (80266353)
平野 葉一 東海大学, 文明研究所, 客員教授 (20189856)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 科学史 / 科学機器 / 光学 / プリズム / アイザック・ニュートン |
研究成果の概要 |
本研究では、アッベ屈折計をヨーロッパの9箇所の博物館に持ち込んで、17-18世紀に製作されたプリズムの屈折率を多波長で測定した。その結果、ニュートンが1660年代に光学研究に実際に利用したと伝わるプリズムの多くはフリントガラス製であり、ニュートンの残した実験記録と合わないことが確認された。一方で、18世紀にオランダのニュートン主義者たちがニュートン光学を広めるために作ったプリズムは、ニュートンの記録よりも大幅に分散力が大きいことが判明した。イギリスで「ニュートンのプリズム」と呼ばれているプリズムは、18世紀に入ってから製造されたニュートン光学を広めるためのプリズムであることが推測される。
|
自由記述の分野 |
科学技術史
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、これまで伝承に基づいて「ニュートンのプリズム」と呼ばれてきたプリズムの光学特性を明らかにしたことである。実験学的分析によって光学特性を定量的に求めたことにより、これまでの文献に基づく歴史学的分析の研究に接続することが可能になった。 社会的意義として、これまで博物館内で行われた調査では他館が所蔵するコレクションとの比較が困難だった。本研究がアッベ屈折計を3カ国の9箇所の博物館に持ち込むという方法を採ったことにより、博物館の枠を越えて同条件での測定と比較が実現した。
|